
2025年3月、フランスのファッションブランド「コペルニ(Coperni)」が200人のフォートナイトゲーマーを集めたユニークなファッションショーを開催しました。ショーの舞台となったのはパリのアディダス・アリーナ。ゲーマーたちは会場の両側に並び、ランウェイの背景としてフォートナイトをプレイし続けるという異例の演出が話題を呼びました。
ランウェイの主役はゲーマーたち?
モデルたちは、スリムなパンツ、セーラートップ、未来的なスニーカーを身にまとい颯爽と歩きました。しかし、観客席に座るゲーマーたちは、そんなファッションには目もくれず、フォートナイトに熱中。キーボードを叩き続け、ヘッドセットをつけたまま、ゲームの世界に没頭していました。
ランウェイを歩くモデルたち vs. フォートナイトに夢中なゲーマーたち
まるで「どちらが観客の目を奪うか」の戦いが繰り広げられているかのようでした。
コペルニの共同創設者であるアルノー・ヴァイヤンは、このイベントについてこう語っています。
「このショーは、ゲームというサブカルチャーへのオマージュです。私たちは、ファッションとゲーミングという異なるコミュニティをつなげたいと考えました。」
しかし、実際の会場では、ファッションとゲームが調和するというよりも、別々の世界が隣り合いながら共存しているように見えました。
ファッションとゲームの交差点? それともただの共存?
ショーの企画としては、ゲームの要素を取り入れた衣装が登場することも期待されました。例えば、フォートナイトのスキンを連想させるようなデザインや、ゲーマー向けのファッションが登場すれば、より融合したショーになったかもしれません。
しかし、実際にはコレクションの服とフォートナイトには直接の関係はなく、モデルたちの衣装は伝統的な90年代スタイルを意識したものでした。デニムジャケットにはラインストーンの装飾が施され、レッグハーネス付きのパンツは「トゥームレイダー」のララ・クロフトを思わせるデザイン。一部のドレスは、ピクセルのように光を放つ素材が使われていたものの、ゲームとの直接的なつながりは感じられませんでした。
一方、ゲーマーたちはというと、ショーが始まる前からすでに何時間もプレイを続けており、ショー中も画面から目を離すことはありませんでした。彼らにとって、ランウェイのファッションは単なる背景に過ぎなかったのかもしれません。
コペルニの試みは成功だったのか?
このショーは、ファッションとゲームという異なるカルチャーを掛け合わせた試みとして高く評価できます。しかし、その結果は、二つの文化が融合するというより、それぞれの世界が独立して並列しているような印象を残しました。
実際に観客として参加したゲーマーたちは、コペルニのブランドについて事前に詳しく知っていたわけではなく、「フォートナイトをプレイする場」としてイベントに参加した人が多かったようです。終始ゲームに集中していた彼らにとって、ランウェイで流れる最新コレクションは「画面の向こう側の出来事」に過ぎなかったのかもしれません。
ファッションとゲームの未来
今回のコペルニの試みは、「ゲームとファッションは共存できるのか?」という新たな問いを投げかけました。ゲームが文化の中心となりつつある現代において、ファッションブランドがゲーマーにアプローチする試みは今後も続くでしょう。
しかし、単に「ゲーマーを集める」「ゲームを背景にする」だけでは、真の融合とは言えません。今後の挑戦として、例えば以下のような取り組みが考えられます。
- ゲームをテーマにしたファッションのデザイン
- バーチャルとリアルが交差するインタラクティブな演出
- フォートナイト内でのコレクション発表やスキンとのコラボ
バレンシアガが2021年にフォートナイトとのコラボレーションを行ったように、ゲーム内でファッションを展開する新たなアプローチが求められているのかもしれません。




















