
ゲーム市場の調査・分析を行うNewzooは、2025年4月8日に「The PC & Console Gaming Report 2025」を公開しました。
本レポートでは、2024年のPCおよびコンソールゲーム市場の動向が詳細に分析されており、特に「バトルロイヤル」ジャンルにおける変化と、『フォートナイト』の成長が際立った結果となっています。

一時代を築いたバトルロイヤルゲームですが、市場全体としては徐々にプレイ時間と人気が低下しつつあります。そんな中で、『フォートナイト』だけは逆行するように存在感を高めており、“ジャンル不況”とも言える状況下で独り勝ちの様相を呈しています。
本記事では、レポートに基づき、バトルロイヤルジャンル全体の動向と『フォートナイト』の好調ぶり、そしてその背景にある成功要因について詳しくご紹介します。
バトルロイヤルジャンルは転換期に突入
Newzooのレポートによると、バトルロイヤルというジャンル全体のプレイシェアは、2021年の19%から2024年には12%まで減少しており、プレイヤーの関心が他ジャンルへと移行している実態が浮かび上がっています。
この背景には、競争の激化や目新しさの薄れといった要因に加え、プレイヤーのゲームプレイ習慣の固定化、すなわち「限られた人気タイトルへの集中」が影響していると見られます。

かつては『PUBG』や『Apex Legends』などが牽引していたバトルロイヤル市場も、ここ数年で新たなヒット作の登場は限定的であり、“飽和状態”に差し掛かっているという見方が強まっています。
フォートナイトは、なぜ一人勝ちできたのか?
こうしたジャンル全体の低迷とは対照的に、『フォートナイト』は2024年の全プラットフォームにおける総プレイ時間の9.3%を占め、最もプレイされたゲームとなりました。
さらに、バトルロイヤルという枠組みにおいても、77%という圧倒的なプレイ時間シェアを獲得し、他タイトルとの差を大きく広げています。

特に注目すべきは、PlayStationユーザーにおけるプレイ時間が前年比で53%増加した点です。
2023年末に展開された『OGマップ』の復刻や、『LEGO Fortnite』といった新コンテンツが旧来プレイヤーの復帰を促し、幅広いユーザー層へのリーチに成功したと考えられます。
単なる“バトロワ”にとどまらない柔軟な展開
『フォートナイト』の好調の背景には、ジャンルの枠に収まらない柔軟なコンテンツ展開があります。
Epic Gamesはここ数年で、「LEGO Fortnite」「Rocket Racing」「Fortnite Festival」など、ゲーム内に別のゲームを内包するような体験を次々と導入。これにより、バトルロイヤルだけでなく、アクション、レーシング、音楽といった複数のジャンルを横断的に楽しめる“エンタメプラットフォーム”へと進化を遂げています。
加えて、Unreal Editor for Fortnite(UEFN)によるユーザー生成コンテンツ(UGC)の拡充も見逃せません。国内外のクリエイターによる多彩なマップやモードが登場し、ユーザーが「遊ぶ」だけでなく「創る」「見せる」体験を楽しめる点は、他のバトルロイヤルタイトルとは一線を画しています。
日本市場でも広がる影響と期待
日本市場においても、PlayStationやNintendo Switchといったコンソール機でのプレイが中心であり、『フォートナイト』の普及率は非常に高いとされています。
さらに、2025年にはiOS版の再リリースや、Switch後継機の登場も予定されており、日本国内でのプレイヤー層のさらなる拡大が期待されています。
また、日本では若年層の間でUEFNによるマップ制作やSNSでの発信も活発になっており、“プレイするゲーム”から“参加するプラットフォーム”へと認識が変化しつつあることも注目すべきポイントです。
ジャンル不況を超えた存在としてのフォートナイト
『フォートナイト』は今や、単なるバトルロイヤルゲームではなく、多様な遊び方を内包するハイブリッドなゲーム空間へと進化しています。
バトルロイヤルというジャンル自体が衰退傾向にある中でも、“進化し続けるタイトルだけが生き残る”という時代の象徴として、フォートナイトはこれからもその存在感を高めていくことでしょう。
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