Epic Games、3Dデジタルアセットの機械学習モデルの開発を行うLociを買収

2025年4月3日 2025年4月3日

FNJPNews

Epic Games、3Dデジタルアセットの機械学習モデルの開発を行うLociを買収

Epic Gamesは、3Dコンテンツの認識やタグ付けを行う機械学習モデルを開発するLociを買収したことを発表しました。この買収により、Epic Gamesのエコシステム全体における3Dアセットの検索性や管理機能が大幅に強化される見込みです。

Lociとは？ 3Dアセットの理解とタグ付けを自動化するAI技術

Lociは、MIT、ケンブリッジ大学、オックスフォード大学、MetaのAI研究者たちによって設立された企業で、3Dデジタルアセットの自動認識や分類、タグ付けを行う機械学習モデルを開発しています。

従来、クリエイターが3Dアセットをアップロードする際には、手動でタグ付けを行う必要があり、多くの労力がかかっていました。しかし、Lociの技術を活用することで、AIがアセットの内容を自動で認識し、適切なタグを付与できるようになります。

特に、Lociの主力製品である**「Loci AutoTag」は、コンピュータビジョンと自然言語処理を組み合わせ、数百万点にも及ぶ3Dアセットを正確かつ迅速にタグ付けする技術**を備えています。これにより、クリエイターは必要な3Dアセットを素早く検索し、管理することが可能になります。

Epic GamesのエコシステムにおけるLociの技術活用

Epic GamesはLociの技術を活用し、同社のエコシステム全体での3Dコンテンツの検索、分類、管理を効率化する計画を明らかにしました。特に以下の分野での活用が期待されています。

1. Fabでの検索・共有・発見の向上

Epic Gamesが展開するFab（旧Sketchfab）では、3Dアセットをアップロード・共有できますが、膨大なデータの中から目的のアセットを見つけるのは容易ではありませんでした。Lociの自動タグ付け技術を導入することで、より精度の高い検索が可能になり、ユーザーが必要なコンテンツを素早く見つけられるようになります。

2. Unreal Editor for Fortnite（UEFN）での自動インデックス化

UEFNでは、クリエイターが独自の3Dアセットをゲーム内で活用できますが、アセットの管理や整理には手作業が必要でした。Lociの技術を統合することで、UEFN上にアップロードされたカスタムアセットが自動的に分類・インデックス化され、簡単に活用できるようになります。

3. 3D類似性検出による知的財産（IP）保護

LociのAIには、3Dアセットの類似性を検出する機能が備わっており、これを活用することで知的財産（IP）侵害の防止が可能になります。これにより、Epicのプラットフォーム上での著作権違反コンテンツの検出や、適切なモデレーションの強化が期待されています。

Epic Gamesの狙い – 3Dコンテンツ制作の未来を支えるAI技術

Epic Gamesは、3Dコンテンツ制作におけるAI技術の活用を積極的に進めています。同社の機械学習ソリューションチームのディレクターであるLucia Specia氏は、次のようにコメントしています。

「Epicはエコシステム全体で膨大な量の3Dコンテンツを作成・ホストしており、アーティストのワークフローを自動化し、コンテンツの発見性を向上させる方法を常に模索しています。Lociチームと協力し、Fab、Unreal Engine、そしてEpicのエコシステム全体で、クリエイターの3Dコンテンツ制作・編集を向上させる革新的なAIツールを開発していくことを楽しみにしています。」

また、LociのCEOであるEugene Yi氏も、AIによる3Dアセット管理の重要性について次のように語っています。